2012年9月28日金曜日

キリン、アジア飲料大手F&N株売却を検討 売却価格1200億円、売却益300億円超


キリンホールディングスは、保有するシンガポールの飲料・不動産大手、フレイザー・アンド・ニーヴ(F&N)の株式の15%すべてをタイの酒類・飲料大手タイ・ビバレッジに売却する検討に入った。日経新聞電子版が28日報じた。

タイ・ビバレッジがF&Nに対して10月29日まで実施する株式公開買い付け(TOB)に応じる方向で、売却価格は約1200億円の見通し。実現すれば、300億円超の売却益が見込め、キリンは新興国での次のM&Aに備える。

キリンはアジアやブラジルなどでM&Aを加速。海外売上高比率は約3割に達しているが、さらなる拡大方針を出している。

2012年9月27日木曜日

NTTドコモがソーシャルゲームに参入 6000万人の顧客基盤 ゲーム開発会社の手数料安く


NTTドコモは、バンダイナムコゲームスなど十数社からゲームの提供を受け、スマートフォンなどで楽しむソーシャルゲーム事業に参入する。日経新聞電子版が27日報じた。

11月下旬をめどに配信を始め、KDDIなど他社の携帯電話からも利用可能にする方針。約6000万人の顧客基盤を生かし、グリーやDeNAに対抗する。

ゲーム配信サイトを開設し、当初約30種類のゲームをそろえる予定。プレー代を無料にし、ゲームで使うアイテム販売で主に収益を上げる。利用者はクレジットカードなどで事前に仮想通貨を購入してプレーする。ドコモの契約者なら通話料などに応じて毎月付与されるポイントを仮想通貨に交換できる。

ゲーム開発会社から受け取る配信手数料は売り上げの2割前後とグリーやDeNAのほぼ半分に抑え、ドコモへの提供意欲を高める。

2012年9月26日水曜日

豊田通商、アルゼンチンでリチウム生産に参画 現在の国内需要に匹敵する生産量


豊田通商はアルゼンチンでレアメタルのリチウム生産に参画する。2014年2月から年1万7500トン生産する。現在の国内需要に匹敵する生産量で、豊田通商が全量を引き取り、トヨタ自動車などに供給する。日経新聞電子版が26日報じた。

アルゼンチン北西部のオラロス塩湖での開発許可を得た。豊田通商は5000万ドル(約39億円)を投じて、オーストラリアの鉱山会社オロコブレと合弁会社を設立。合弁会社を通じて権益の25%を取得する。日本企業がリチウム権益を取るのは初めてとみられる。

総事業費の7割弱をみずほコーポレート銀行からの融資で調達し、融資には石油天然ガス・金属鉱物資源機構が債務保証する見通し。

2012年9月25日火曜日

グーグル、Nexus7(ネクサスセブン)を日本で発売 モデルは16GBの1機種 価格は1万9800円


グーグルは新型タブレット「Nexus7(ネクサスセブン)」を日本で発売すると発表した。Nexus7はGoogleの最新基本ソフト「Android4.1」を搭載する。画面は7インチ、重量は340グラムと軽量なのが特徴。Googleのネット直販サイトで25日から販売するほか、10月2日からはビックカメラやヨドバシカメラなどの店頭でも販売する。

日本では内蔵メモリー容量が16GBの1機種のみの販売。価格は1万9800円。アップルのiPad(4万2800円~)、ソニーの「エクスペリアタブレット」(3万9800円~)などに比べて格段に安い。

Nexus7の通信機能は無線LAN(WiFi)のみ。外出先で使うにはモバイルルータか公衆無線LANサービスが必要になる。量販店での発売に合わせてイーモバイルなどが、自社モバイルルータとの組み合わせて、ゼロ円タブレットとして販売することが予想される。

コンテンツ配信サービス「Google Play(グーグルプレイ)」も拡充。25日から新たに電子書籍配信が開始されている。日本語の電子書籍数は非公表だが角川グループやPHP研究所、主婦の友社などの電子書籍が配信されている。個人輸入したNexus7でチェックしてみると、無料サンプルとして「人間失格」「こころ」「藪の中」が並ぶ。開いてみると、これらの書籍は全て「横書き表示」。縦書き表示には対応していないようだ。このあたりのローカライズは今後の課題だろう。

今週、Googleの株価は750ドルを突破した。Android端末の追い上げが、タブレット市場にも広がればもう一段の株価上昇が期待される。

IHI、米GEとビジネスジェット用エンジン「パスポート20」開発 福島県相馬工場で生産


IHIはビジネスジェット機用エンジンを米ゼネラル・エレクトリック(GE)と共同開発する。低圧タービンなどの主要部品を中心に全体の約3割の開発と生産を担う。日経新聞電子版が25日報じた。

IHIが開発に参加するのは「パスポート20」と呼ぶエンジンで、カナダの航空機大手ボンバルディアの新型ジェットへの採用がすでに決まっている。2015年までに開発を終え、従来のエンジンより燃費性能を1~2割高める計画。IHIはファンや高圧圧縮機の一部も担当し、数百億円の開発費をかけて部品の軽量化などに取り組む。

11年のビジネスジェット運航機数は約1万7000機で、20年後には3倍の約5万機に増える見通し。大幅な値引きを要求される一般的な旅客機向けと比べ収益性が高く、部品についても早期の黒字化が見込める。

IHIは新エンジン向けの部品を福島県相馬工場などで生産し、瑞穂工場(東京都)で組み立てて出荷する。引き渡し開始から15年間で3500億~4000億円程度の売り上げを見込む。

2012年9月24日月曜日

大和証券 デリバティブ事実上撤退 アジア赤字事業を整理


大和証券グループ本社は、主に香港で手掛けるアジア事業でデリバティブ(金融派生商品)事業から事実上撤退するほか、中国などアジア株の調査体制も縮小する。日経新聞電子版が24日報じた。

大和証券は2010年にベルギーの金融大手KBCグループから、新株予約権付社債(転換社債)部門とアジア株のデリバティブ部門などを約900億円で買収したが、デリバティブ規制の強化や欧州債務危機の影響で取引が急減。先物やオプションなど、アジア株や金利・為替のデリバティブ部門は、新規取引をやめるなど縮小する。

大和証券の12年4~6月期の海外部門の経常損益は49億円の赤字。なかでも、アジア・オセアニアが33億円の赤字。2期連続の連結経常赤字が続く大和証券にとって、13年3月期に黒字転換を達成するには、アジアなど海外事業の損益改善が課題になっている。

2012年9月22日土曜日

ルネサスを官民で買収へ 米投資ファンドKKRに対抗

ルネサスエレクトロニクスに対し、トヨタ自動車やパナソニックなどが、政府系ファンドの産業革新機構と組み、1000億円超を共同出資する方向で調整に入った。日経新聞電子版が22日報じた。

出資企業として日産自動車やホンダ、キヤノン、ファナックなどの名前が挙がっている。自動車部品メーカーではトヨタ系のデンソー、ホンダ系のケーヒンのほか、世界大手の独ボッシュなど海外勢にも出資を求めている。第三者割当増資などにより、産業革新機構と合わせて1000億円超を出資し、ルネサスを共同買収する方針。

ルネサス支援には米投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が約1000億円を出資する案を示しているが、ルネサス取締役の総退陣を求めているとされるKKRが大胆な事業再編などに踏み切った場合、マイコンの安定調達に支障をきたす恐れがある。

2012年9月21日金曜日

東芝、テレビ事業13年3月期黒字転換 外部生産委託比率5割台に引き上げ


東芝は2013年3月期に、前期に500億円の営業赤字だったテレビ事業を生産委託を増やすなどして黒字化させる。日経新聞電子版が21日報じた。

同社は今期、海外メーカーなど外部に生産委託する比率を、前期の4割台から5割台に引き上げる。前期末で国内生産から撤退、委託を増やすことで採算を改善させる。新興国での販売を伸ばし、テレビの世界販売台数を前期比1割増の1600万台にする。東南アジアやインドなど新興国での販売比率は45%と前期比10ポイント上昇する見込み。

テレビの改善で今期のノートパソコンなどと合わせた「デジタルプロダクツ」部門は150億円の黒字を見込み、東芝の今期の連結営業利益は前期比48%増の3000億円になる見通し。電力設備など主力の「社会インフラ」部門が全体の5割超を稼ぐが、デジタルプロダクツ部門の黒字化が、連結営業利益の伸びに最も大きく貢献する。

2012年9月20日木曜日

ソフトバンク、iPhone5に「テザリング」サービス追加 来年1月15日から 7GBの制限はKDDIに足並みそろえる


ソフトバンクモバイルは19日、米アップルのスマートフォン「iPhone5」向けの新サービス「パケットし放題フラット for 4G LTE」を発表した。「iPhone5」を経由してパソコンなどの外部機器をインターネットに接続できる「テザリング機能」を新たに導入する。

ソフトバンクは、来年1月15日からiPhone向けのテザリングのサービスを開始する。iPhone5の予約を始めた14日時点では導入の予定はなかったが、KDDIが21日のiPhone5発売と同時にサービスを始めると発表したことを受けて、3カ月あまり遅れて追随する。

毎月のデータ量が7GBを超えた場合に請求月末まで通信速度が送受信最大128kbpsに制限される。追加利用料金は2GBごとに2,625円。本オプションサービスの月額使用料525円は2年間無料とする。

日本電産、米モーター2社400億円で買収 キネテックとアブトロン・インダストリアル


日本電産は米国の中大型モーター会社を2社を年内にも買収する。買収額は合計5億ドル(約400億円)前後とみられる。日経新聞電子版が20日報じた。

買収するのはエレベーターなどで使う中大型モーターを手がけるキネテック(イリノイ州)。米エレベーター大手のオーティスや豊田自動織機を顧客とし、北米や中国、欧州に20以上の工場や研究開発拠点を持つ。2011年の売上高は約4億ドル(320億円)従業員は約3000人。

もう1社はクレーンなどの制御用モーターに強いアブトロン・インダストリアル・オートメーション(オハイオ州)。11年の売上高は約3300万ドル(26億円)。それぞれの経営権を持つ米ファンド2社から全株式を買い取る。

2012年9月18日火曜日

セコム、東電データセンター事業買収子会社「アット東京」を500億円で買収 月内に最終合意


セコムは東京電力からデータセンター事業を買収する方針を固めた。買収額は500億円前後とみられる。日経新聞電子版が18日報じた。

セコムが買収するのは東電子会社の「アット東京」(東京・江東)。総床面積14万平方メートルの大型施設など東京都内で複数のデータセンターを運営する。年間売上高は約250億円で、東電がグループで株式の8割程度を握り、残りを情報システム構築のインテックが保有する。

現在、買収条件の詳細を詰めており、月内に最終合意する見通し。東電は売却後もアット東京株の約3割を継続保有する方向で協議している。

東電の事業を取得することでセコムの事業規模は一気に約10倍に広がる。データセンター事業の売上高は単純合計で300億円程度に増え、機器の販売を含まないセンターの運営のみで富士通、KDDIといった国内大手と並ぶ可能性があるという。

2012年9月16日日曜日

KDDIのiPhone 5はテザリングに対応 予想されるiPad Miniの取り扱い


auはiPhone 5を経由してパソコンなどをインターネットに接続できる「テザリング」に対応することを正式に発表した。iPhoneでテザリングが公式に利用できるのは日本では今回が初めて。月額525円のテザリング利用料も今年12月の契約分に限り最大2年間無料にする。

auのLTEサービスは、iPhone 5の発売日にあわせ9月21日から開始、通信速度は下りが最大75Mbps。2013年には最大112.5Mbpsに速めるとしている。

auのiPhone 5料金プランでは、1カ月のデータ通信料が7GB(約5800万パケット)を超えた場合、その後、月末までの通信速度が送受信時最大128kbpsに制限するとしているが、通常のユーザであればこれを超えることは先ずないといえる。

私は、iPhone 4SとNexus 7を常時携帯し、パケット通信はモバイルルータに集中させて利用している。長時間移動が多いので平日はほぼ毎日Huluなどのオンデマンドサービスを利用するが、月間の利用パケット数は4000万パケット以下に収まっている。

このような利用シーンを考えると、ソフトバンクを出し抜いてauが「テザリング」に対応するのは、10月に発表が噂されている小型iPad(iPad Mini)の取り扱いが予測される。iPhone 5の「テザリング」でiPadが利用できれば、モバイルルータを別に契約するより安上がりだ。

KDDIの引っ剥がし営業戦略は、NTTの光回線からソフトバンクのiPhone、そしてiPadへと進むのでは無いだろうか。


2012年9月15日土曜日

アップル株、来週は700ドル大台突破確実 iPhone5 米での初回出荷分1時間で完売

米アップルが21日に発売する新型スマートフォンiPhone5の販売予約が開始から約1時間で初回のネット販売分を売り切ったようだ。米アップルストアでは次回出荷分の表示が予約販売スタートから約1時間で切り替わり、現在は2~3週間後になっている。

現行モデルのiPhone4Sは、初回出荷分の完売に約1日要しておりiPhone5はこれを大きく引き離す。このため米メディアは「iPhone5は3日間で500万台以上売れるのでは」との見方を報じ、14日の米株式市場でアップル株は高騰。一時、上場来高値となる696.98ドルをつけ700ドルの大台に迫った。来週は700ドルの大台乗りが確実視されている。

日本市場でもiPhone5の予約滑り出しは好調。週末の量販電では、多くの女性がiPhone5の予約をしていく姿が目に付いた。革新性に乏しく「iPhone5は退屈」との酷評を受けても、同製品が最高のスマートフォンであることには変わりない。iPhoneの強みは多くの女性ユーザーを獲得したことだ。製品の革新性より、製品の成熟を歓迎する女性ユーザーの支持がiPhone5の売り上げを支えるだろう。

2012年9月8日土曜日

中国が一人っ子政策を止められない理由

中国の一人っ子政策は1979年に導入され、人口増大の抑制に一定の成果を上げてきた。

しかし、実際には、裕福な家庭の中には罰金を支払ったり、2人目を出産するため海外に行ったりする人々がいる。

「金持ちなら複数の子どもを持てるのに、貧乏人は1人しか持てない」不平等が存在する。

一人っ子政策の廃止を求める声は強まっている。人口の高齢化が進み、子どもが極端に男の子に偏る状況の中で、いずれ経済や社会に深刻な影響が出ると懸念されている。

富士通総研経済研究所の首席研究員である柯隆さんは、一人っ子政策を見直そうという中央政権の動きはあるが、地方政権など既得権益一を持つものが、これを阻んでいという。一人っ子政策の罰金収入は、地方政権の財源になっており、同政策に関わる雇用規模は中国全体で650万人に達しているためだ。

CNNのニュースによれば、2人目以降の子どものために、仲介人に金を払って役人にわいろを渡す人もいるという。米ドル換算で1000ドル(約8万円)はかかるが、 罰金として支払えば20万人民元(約247万円)にもなるため安上がりになる。

2012年9月6日木曜日

マイクロソフトとノキア、「ウィンドウズフォン8」のスマートフォン発表 業界はエコシステム戦争へ


携帯電話機大手ノキアは5日、米マイクロソフト(MS)が開発した携帯電話用OS(基本ソフト)の最新版「ウィンドウズフォン8(Windows Phone 8)」を搭載したスマートフォン「Lumia 920」を発表した。現時点でノキアは発売時期を公表していない。

「Lumia 920」は、ワイヤレス充電「Qi(チー)」や国際的なモバイル決済規格「NFC」などの様々な機能も搭載している。ディスプレイサイズは4.5インチ、プロセッサにはクアルコム製Snapdragonを搭載。マイクロソフトが提供するクラウドサービス「SkyDrive」が7GBの容量で提供される予定。

ノキアのスティーブン・エロップ最高経営責任者(CEO)はアップルやグーグルが構築する「エコシステム(生態系)との戦争だ」と強調した。

マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは「Windows Phone 8」とパソコン向け次世代OS「Windows 8」が幅広く技術を共有する点を指摘。パソコンからスマートフォン、タブレットを含めると4億台以上の共通プラットフォームになることを強調した。

国内では、セキュリティの問題からスマートフォンの導入を見合わせている企業が多く、Windows Phone 8は企業向けスマートフォンとして普及する可能性を秘めている。