2012年10月31日水曜日

日立、原発事業会社「ホライズン」買収 自社原発輸出を有利に


日立製作所は30日、英国の原子力発電事業会社「ホライズン」を6億7000万ポンド(約850億円)で買収すると発表した。発電会社の買収は異例。リスクを負ってでも自社方式軽水炉の普及を優先する。日経新聞電子版が31日報じた。

日立はホライズンの株主である独電力大手イーオン、RWEの2社と株式売買契約を結び、11月中に全株式を取得する。ホライズンの事業を引き継いで英国の2カ所で原発計4~6基を新設。最初の原発を2020年代前半にも稼働させる。

日立は受注をほぼ確定しているリトアニアでも原発事業会社に数百億円出資する予定。原子力事業の11年度売上高1600億円と同規模の巨額を原発事業会社2社に投資することになる。ホライズンについては全株式を取得後、原発運営手法を持つ電力会社などに出資を募り、数年後に日立の出資比率を10%前後に下げてリスクを減らす。

2012年10月26日金曜日

日本郵政、2015年秋に上場 売却収入最大7兆円 ゆうちょ銀、かんぽ生命の株式売却は先送り


日本郵政の株式上場計画が25日明らかになった。持ち株会社の日本郵政は2015年秋をメドに株式売却を始める。日経新聞電子版が26日報じた。

日本郵政は26日に下地幹郎郵政民営化担当相や総務省など関係省庁に原案を提示。29日に開く政府の郵政民営化委員会で了承を得たい考え。年内に上場準備室を設け、作業に着手する。

日本郵政グループの連結純資産は約11兆円。3分の2を売却すると最大7兆円程度の売却収入が見込まれる。売却収入は東日本大震災の復興財源に充てる。


原案では15年秋メドに株式上場を目指すと定めた。最終的には株式市場の状況に応じて政府が売却時期を判断する。一方、郵政グループ最大の収益源となっているゆうちょ銀、かんぽ生命の株式売却については、郵政株を半分程度処分するまでに方針を決めるとして決定を先送りした。

郵政株の上場にあたり、今後焦点となるのが赤字の続く郵便事業の立て直し。現在は金融2社の黒字で穴埋めしており、民間投資家に郵政株を売るためには郵便事業の収益改善が不可欠となる。日本郵政は来年4月にも住宅ローンなど融資事業に参入するとしているが民間の反発も予想される。

2012年10月24日水曜日

住商・KDDI、JCOM2200億円で買収 国内CATV市場シェア5割の巨大メディアが誕生へ


住友商事とKDDIは傘下のCATV上位2社を来秋までに統合することで最終合意した。日経新聞電子版が24日報じた。

先ずCATV1位でジャスダック上場のジュピターテレコム(JCOM)を約2200億円で完全買収し、折半出資の非上場会社にする。その後、2位のジャパンケーブルネット(JCN)を約1000億円で買収する。住商とKDDIは来年3月までにJCOMを共同買収する。TOBにより市場株式の30%弱を取得する。買い取り価格は1株当たり11万円前後となるもよう。

その後、JCOMが約1000億円でKDDI子会社のJCNを買収する。来秋までに買収手続きを完了させる予定。統合新会社はKDDIの連結対象となる。一連の買収資金は銀行借り入れでまかなう。

JCOMの加入世帯は307万件(シェア39%)、JCNは86万件(同11%)。有料多チャンネル放送やネット接続サービスを主な収入源としており、新会社の売上高は約4600億円となる見込み。

2012年10月23日火曜日

キャタピラーが業績を600億ドルに下方修正 世界経済の減速で


ブルドーザなどを製造するキャタピラーの業績は世界経済を反映するものさしとして注目されている。

同社は世界経済の減速を予想し、680億ドル~700億ドルとしていた今年の売上高見通しを660億ドルに下方修正した。

キャタピラーは、来年の見通しについて米国や中国経済が穏やかに回復し、景気後退は予想しないとコメントしている。

2012年10月22日月曜日

政府、創薬ファンド創設検討 300~400億円規模 iPS細胞を活用した創薬研究も対象に


政府は革新的な医薬品の研究開発を支援するファンドの創設を検討する。産業革新機構のほか、金融機関、製薬会社、VCなどから出資を募り、2014年度にも300億~400億円規模の基金とする計画。日経新聞電子版が22日報じた。

投資対象はがんや肝炎、糖尿病など医療ニーズの高い新薬開発。様々な組織の細胞に成長できるiPS細胞を活用した創薬研究も含まれる。

新薬開発に必要な長期の投資マネーを集めるため、政府は来年の通常国会に関連法案を提出し、独立行政法人の医薬基盤研究所がファンドを作れるようにする

政府は13年度から医薬基盤研に創薬の種を目利きする専門人材や研究開発から実用化までプロジェクトを指揮する責任者を配置。創薬は投資リスクが高いため、実用化の確率が高いテーマを厳選し、民間企業が出資しやすい環境を整える。

2012年10月19日金曜日

ローソン「配当利回り3.5~4%メド」株主総利回りを重視


ローソンの新浪剛史社長は日本経済新聞の取材で、配当政策について「3.5~4%の配当利回りをメドに決める」との考え方を明らかにした。日経新聞電子版が19日報じた。

ローソンは株主にとっての実質的な利回りに着目。具体的には株価上昇率と実績配当率(配当合計÷当初株価)から算出する「株主総利回り」を重視している。2012年2月末までの3年間の実績は60%で、競合するセブン&アイ・ホールディングスとファミリーマートの2社の平均値を上回るという。

ローソンは3日に13年2月期の年間配当を従来予想から10円引き上げ200円(前期は180円)にすると発表。18日の株価で計算すると、配当利回りは3.5%になる。

2012年10月11日木曜日

マイクロソフト 「ウィンドウズフォン8 (WindowsPhone8)」搭載端末日本投入先送り 中国などで先行発売


今冬の予定だった米マイクロソフトの「ウィンドウズフォン8」を搭載したスマートフォンの日本での販売が先送りされることになった。日経新聞電子版が11日報じた。

米国や欧州、中国では11月に発売されるが、マイクロソフトは市場が成熟している日本での販売効果を見極める必要があると判断した。

新型OSを搭載した端末の日本での商品化は国内メーカーが中心になる見通しだった。しかし各社の供給先は国内にほぼ限られる。マイクロソフトは中国や米国などよりも市場規模が小さく、成熟している日本で国内メーカーに新型OSを提供しても、先行するiPhoneやアンドロイドを搭載したスマホを追撃するには力不足と判断したもよう。

マイクロソフトは10月26日に日本を含めた全世界でパソコンやタブレットに対応するウィンドウズ8を発売する。日本語対応をしている「ウィンドウズフォン8」搭載スマートフォンの国内投入は、ウィンドウズ8搭載パソコンやタブレットの販売状況を見極めたうえで決める。

2012年10月10日水曜日

東京エレクトロン、7~9月受注高5%減 メモリー向け低迷


東京エレクトロンが9日発表した2012年7~9月期の半導体や液晶製造装置の受注高(速報値)は750億円と、4~6月期に比べ5%減少した。

世界的な景気減速によるパソコン需要の伸び悩みなどを受け、NAND型フラッシュメモリーやDRAMなどのメモリー向け装置の受注が低迷した。日経新聞電子版が10日報じた。

7~9月期の受注額は09年4~6月期(501億円)以来の低水準。7月時点で7~9月の受注額は760億~1000億円と見込んでいたが、想定の下限を下回った。

半導体装置は12年4~6月期比12%減の670億円だった。パソコン用の割合が多いメモリー向けの受注が苦戦。堅調だったスマートフォンに使うロジック系半導体向けメモリだけでは補えなかった。

2012年10月8日月曜日

旭硝子、成長分野の太陽電池向けガラス減産 12月期営業利益4割減


ガラス世界最大手の旭硝子は成長分野としてきた太陽電池向けガラスの減産に踏み切った。米国テネシー州の工場を休止した。ガラス業界は液晶向けや建築向けの価格下落などに加え、自動車向けも中国での日本車の販売減が懸念材料となり、主要4分野で収益環境が厳しくなっている。日経新聞電子版が8日報じた。

旭硝子は米国に太陽電池関連で2つのガラス工場がある。このほど休止したのは太陽電池の表面を保護するカバーガラスを生産するテネシー州キングスポートの工場。割安な中国製電池が出回り、現地での出荷が低迷し、在庫が約4~5カ月分に膨らんだ。

同社は2012年12月期の連結営業利益が前年同期比で約4割減になる見通し。業界では液晶向けは昨年前半ごろまで売上高営業利益率が4割程度だったが、その後大幅に低下した。欧州では建築向けガラスの低迷が続く。昨年度の売上高が約400億円の太陽電池向けも採算性が悪化した。西欧では今年、建築用ガラスの生産能力を2割超削減しており、太陽電池でも減産を決めた。

2012年10月5日金曜日

伊藤忠100億円、丸紅200億円 普通社債発行 事業買収資金を確保


伊藤忠商事と丸紅が10月中に普通社債を発行する。伊藤忠は10年債を100億円、丸紅は5年債と10年債を100億円ずつ起債する。日経新聞電子版が5日報じた。

詳細な条件決定は5日になる見通し。伊藤忠は野村証券と東海東京証券、丸紅はSMBC日興証券、大和証券、しんきん証券が主幹事を務めるとみられる。払込日は丸紅が12日、伊藤忠が19日を予定している。今期の社債発行額は今回で丸紅が総額800億円、伊藤忠が私募債100億円を含め600億円になる。

米穀物大手のガビロン、伊藤忠は米青果物大手のドール・フード・カンパニーの事業買収を控え1千億円単位の資金が必要となっている。

2012年10月4日木曜日

KDDI、小型iPad販売へ  「LTE」に対応する見通し


アップルが11月に発売するとされるタブレット「iPad(アイパッド)」の小型版を巡り、KDDI(au)が国内販売に向けアップルと最終調整していることが分かった。日経新聞電子版が4日報じた。

アップルの小型版iPadは画面の大きさが約10インチの現行タイプより小さい7~8インチになり「iPad mini」の名称で発売される可能性が高い。国内ではソフトバンクも販売を検討中。

小型版は高速通信規格の「LTE」に対応する見通し。LTEだと通信速度は現在主流の第3世代携帯電話(3G)より3倍以上速くなる。

KDDIはiPhone5でテザリングが可能なサービスを展開しており、小型iPadのWiFiモデルとの組み合わせの有無が注目される。

2012年10月3日水曜日

富士通、500億円規模の普通社債 有利な条件で長期資金を手当て


富士通は10月中にも普通社債(SB)を発行する。発行額は500億円程度とみられ、発行条件は今後詰める。普通社債の発行は2011年7月以来、1年3カ月ぶり。短期借入金を長期負債の社債に振り替える。日経新聞電子版が3日報じた。

共同主幹事はみずほ証券とSMBC日興証券、大和証券、野村証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、UBS証券の6社が務める。富士通の格付けはシングルAプラス(R&I)で、有利な条件で長期資金を手当てできると判断した。

2012年10月2日火曜日

ユーロ圏8月失業率11.4% ユーロ導入以来最悪の水準 スペイン・ギリシャ突出


欧州連合(EU)統計局が1日発表したユーロ圏17カ国の8月の失業率は11.4%。1999年の共通通貨ユーロ導入以来、最悪の水準となった。

国別では、ユーロ圏内で最も失業率が高いスペインが修正後の前月比0.1ポイント悪化の25.1%。統計が遅れて出るギリシャは6月時点で同0.9ポイント悪化の24.4%で、両国が突出して悪い。ともに25歳未満の若者の失業が深刻で、スペインは52.9%、ギリシャは55.4%(6月)に及ぶ。

一方でドイツは4カ月連続で5.5%。ユーロ圏内で最も失業率が低いオーストリアは修正後の前月比0.1ポイント改善の4.5%だった。

2012年10月1日月曜日

HISが新卒向け「入社月選択制度」導入 卒業1年以内ならどの月でも入社可能に


旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)は、2013年度から新入社員が入社する月を自由に選べる制度を導入する。日経新聞電子版が1日報じた。

「入社月選択制度」として、大学を卒業した月の翌月から1年以内ならば、どの月に入社をしてもよいようにする。

HISは世界44カ国で事業を展開し、外国人の海外旅行の取り扱いに力を入れている。

海外事業を拡大するには日本と卒業時期が異なる海外の大学を出た人材が必要とみて、新制度導入を決めた。

東大などが検討する秋入学に対応する狙いもある。