2012年10月8日月曜日

旭硝子、成長分野の太陽電池向けガラス減産 12月期営業利益4割減


ガラス世界最大手の旭硝子は成長分野としてきた太陽電池向けガラスの減産に踏み切った。米国テネシー州の工場を休止した。ガラス業界は液晶向けや建築向けの価格下落などに加え、自動車向けも中国での日本車の販売減が懸念材料となり、主要4分野で収益環境が厳しくなっている。日経新聞電子版が8日報じた。

旭硝子は米国に太陽電池関連で2つのガラス工場がある。このほど休止したのは太陽電池の表面を保護するカバーガラスを生産するテネシー州キングスポートの工場。割安な中国製電池が出回り、現地での出荷が低迷し、在庫が約4~5カ月分に膨らんだ。

同社は2012年12月期の連結営業利益が前年同期比で約4割減になる見通し。業界では液晶向けは昨年前半ごろまで売上高営業利益率が4割程度だったが、その後大幅に低下した。欧州では建築向けガラスの低迷が続く。昨年度の売上高が約400億円の太陽電池向けも採算性が悪化した。西欧では今年、建築用ガラスの生産能力を2割超削減しており、太陽電池でも減産を決めた。