2012年6月7日木曜日

米シェールガス増産が日本国内のガソリン価格下落の一因に


資源エネルギー庁が6日発表した4日時点のレギュラーガソリン店頭価格(全国平均)は1リットル145.8円と前週比で1.6円下落した。値下がりは9週連続。

日経新聞電子版によれば、米国で新型天然ガスの「シェールガス」の増産が、日本国内のガソリン価格の低下の一因になっているという。

シェールガスと同時に生産される液化石油ガス(LPG)のプロパンが米国から欧州市場に流入。欧州で余った石油製品はアジア市場に流れ込んでいる。

欧州の石油化学プラントはナフサとプロパンの両方を石化原料に使える機能を備えており、価格が安い方を多く調達する。欧州市場のナフサのスポット価格は現在、1トン750ドル前後。一方、プロパンは1トン380ドル程度。米国産プロパンはナフサより単純比較で5割安く、欧州への輸送費などを考慮しても3割強安い。

欧州で余ったナフサは今度はアジア市場に流れ、アジア域内のナフサやガソリン需給が緩和。アジア向けの指標になるシンガポール市場のガソリン価格は1バレル106ドル程度で4月上旬の高値に比べ23%安く約7カ月ぶりの安値圏にある。

ナフサ(naphtha)とは、原油を常圧蒸留装置によって蒸留分離して得られる製品のうち沸点範囲がおおむね35 - 180℃程度のもの。粗製ガソリン、直留ガソリンなどとも呼ばれる。