2012年6月1日金曜日

トヨタ自動車、2000億円の普通社債(SB)発行枠確保 ヨーロッパの信用不安の拡大などに対応


トヨタ自動車は2000億円を上限とする普通社債の発行枠を登録、来月8日以降、最大で2000億円の社債を発行する。31日複数のメディアが報じた。

トヨタの社債は信用力が高いため、日本の国債に近い低い水準の利回りで発行されている。
日本の国債は、ヨーロッパの信用不安への懸念から安全な資産として資金が集まり、利回りは8年11か月ぶりの低水準。トヨタが社債を発行すれば、より低い利回りで資金を調達できる。

<トヨタ自動車の長期債格付け 2月15日現在>
スタンダード・アンド・プアーズ (S&P) AA-
ムーディーズ Aa3
格付投資情報センター (R&I) AA+

<普通社債とは>
社債の一種で事業債とも呼ばれる。英語ではSB(Straight Bond)と表記する。
上場企業では、銀行からの借り入れより、市場を介して投資家から資金調達(直接金融)する方が低利率で資金調達できメリットが大きい。
投資家側から見ても、経営基盤のしっかりした信頼が置ける企業の普通社債であれば、銀行の定期預金より高利回りである上、償還まで待てばほぼ確実に元本が戻ることから、株式のようなリスク商品を敬遠する投資家でも買うケースが多い。

<繰上償還条項(コール条項)とは>
債券の信託証書に対して定めることができる条項。発行者が満期日より前に発行残高の一部または全額を買い戻すことができる権利。
年利7%で社債を発行していたA社があったが、金利低下に伴い、新たに債券を発行するほうが金利的なメリットがある場合、利率の高い債券を繰上償還することにより支出額を抑えることができる権利。コール条項とも呼ばれ、債券の目論見書に必ずその有無が記載されている。