2013年5月15日水曜日

国債利回り上昇を放置できなくなった日銀、1年物国債を0.1%で2兆円買い入れ


株価の急上昇で、機関投資家が国債を売り、株式に投資する動きを活発化、このため国債の価格は下落し金利は上昇を続けている。

今日の債権市場で日本国債の利回りが急上昇(価格は下落)、15日午前には長期金利の指標である10年物国債利回りが、一時0.92%まで跳ね上がった。

国債相場が急落することになったきっかけは、先週末の円相場の1ドル=100円突破。株への資金シフトによる国債の値下がりリスクを警戒する一部のメガバンクが週初から国債を売り値を下げた。

これに油を注いだのが、長期金利上昇を静観する構えをみせて日銀の姿勢。黒田東彦日銀総裁が「経済が成長し、物価上昇率が2%に上昇するなかでは名目金利が上がるのは自然」と発言。

これを「日銀は金利上昇を容認」と受け止め、他のメガバンクも不安に駆られて売りを加速、売りが売りを呼ぶスパイラルに陥った。

15日午前には野党が国会で安倍晋三首相を「アベノミクスの失敗」と追及。あまりに速い異常な金利上昇を警戒した日銀も、午後一番で「0.1%で1年物国債を2兆円買い入れる固定金利オペ」を発表した。

このオペに市場は反応、国債には買い戻しが入り、10年債利回りはいったんは0.825%まで低下、その後は再び利食いに押されて0.85%で取引を終えた。


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