中国で流通している3D印刷機は米国や欧州の製品が大半だが、安価な国産印刷機も続々登場し、利用が急増する要因になっているという。
中国企業の間で需要が伸びているのが、研究開発や製品試作に3D印刷機を用いるケース。金型などの作製ノウハウがない中国企業にとって、技術的な追い上げが容易になる。
また、「リバースエンジニアリング」に利用すれば、他社のヒット商品を分解し、どこにどのような技術と部品が使われているかを分析する。3D印刷機を使えば、高度な設計ソフトがなくても各部品を「再現」することが可能になる。
3D印刷機の世界市場規模は12年に22億ドル(約2200億円)。その大部分が産業用で、うち4割のシェアを米国市場が占める。中国3D打印技術産業連盟の予測では、16年に中国の市場規模は100億元(約1600億円)に拡大。12年実績の10倍に増え、世界最大市場に浮上する見通し。
3D印刷機の普及で、製品の「模倣」も容易になるため、日米欧の製造業の間では技術流出が加速するとの懸念も強まっている。
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